
劇団ラチェットレンチ Official website
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公演情報
2025年 4月23(水)〜27(日)



2016年/@上野ストアハウス
【story】
「編集長がカンカンですよ? もう先生とは縁を切ると」
俺は梶野達也。売れっ子サスペンス小説家……だった。デビュー作の『レディ・ギャンブラーシリーズ』が異例の大ヒットに恵まれ、早十年。ベストセラー街道をひた走るはずだった俺が、何故こんな最後通牒を突きつけられねばならないのか。これは夢だ、じゃなきゃ嘘だ。スランプなんて認めたくない、が、目の前にあるパソコンの真っ白い画面が全てを物語っている……。
「編集長を唸らせる作品? そんなの、この半日でどうにかなるわけないじゃんか!」
限界まで追いつめられた俺は作家にとっては禁忌とも言える「禁断の果実」に手を出してしまった。それは届けられたファンレターの中にあった「ある人物の物語」だった。ピンチの時にこそ、チャンスが来る。ギャンブルで勝てる時の感覚が体の隅々まで満ちていく。のるかそるかの大博打に俺は人生の全てをBETした。
だが、その物語が、どうしようもなくやりきれない悲しい事件への招待状だったとは、あの時の俺は知る由もなかった……
【CAST】
石松千明 池田大輔(★☆北区AKTSTAGE) 吉野瞬 伊藤清之(Studio Life) 古梨柚希(AZクリエイティブ) 森山光治良 三澤行寛 岡村まきすけ 酒井孝宏 井上賢吏 船戸慎士(Studio Life)
山﨑さやか 他
【STAFF】
脚本:大春ハルオ 演出:船戸慎士(Studio Life) 照明:川村孝志 音響/演出助手:中作詩穂 舞台美術:倉本徹 制作:宮本杏子 宣伝美術:豊田悟士 スチール:松林満美 Web:チバアカネ 映像撮影:成富紀之
【SPECIAL THANKS】
(株)Production Artist Stuff Company/(株)AZクリエイティブ/★☆北区AKTSTAGE/Studio Life/Human Market/Muse of Soul/ライティングユニオン/橋本賢/山﨑巌
Member

Ratchet wrench/F
Abouto us

2010年4月、大春ハルオと礼央の2人で旗揚げ。
劇団名の由来は工具のラチェットレンチ。そこには「後ろに回せば空回り、ならば前に進むしかない!」というメッセージが込められている。
当初は作品の方向性を模索していたが、2012年「曇天プラネタリウム」によって決定づけられる。それは徹底的に笑いを排除したクールなサスペンスであり、後に「カットバックサスペンス」と名付けられる作風へと昇華した。
またラチェットレンチのもうひとつの顔である「落語」。これは2013年「梅咲く、時雨」で初お目見えとなった。「落語のネタをそのまま、演じるのでは芸が無い」との考えから、 カットバックサスペンスの手法で落語家一門に巻き起こった事件の顛末を描いた。それに手応えを覚えた翌年、2014年9月。初めて賞レースに参加した我々は「落伍者。」にて、優秀賞を獲得する事となる。
旗揚げから今年で13年目を迎える劇団ラチェットレンチは、新陳代謝を続けている。これから先、劇団を取り巻く環境も変わっていくだろう。それでも僕らは、朗らかに笑って続けていきたい。それは願いでもある。
そして現在!
主宰は井上賢吏が務め、大春ハルオが全作品の脚本を担っている。
2024年より、船戸慎士と山﨑さやをメンバーに加え、東京都内の劇場で、サスペンスや幕末モノ。はたまた落語を題材にした作品を上演中。
~おまけ~
劇団名の「ラチェットレンチ」。実はこれ、“キャッチーでなんかダサい”名前を付けようと、意味は考えずにつけられたものである。だがその名を聞いた友人の山口くんが、「そっか! 逆回転すると空回りするわけで……俺たちは前にしか進めねぇぜ! ってそういう意味で付けたんでしょ?」と聞いてきた。そんなことを微塵も考えていなかった僕らは、つい、「まぁね、よくわかったね!」と答えてしまった。
それ以降、どういう意味で劇団名を付けたのかと聞かれるたびに、「後ろに回せば空回り、ならば前に進むしかない!」という意味で付けたと答えている。そして、そう答えるたびに、山口くんの顔がちらつくのである。
